満足度★★★
朴訥とした、古き良き時代の日本を支える一時代の田舎の情景。
『山のバッキャロー!!』の後編という事でしたが、単独でも楽しめる作品。
最後の雪が降る情景がとても印象的で美しいものでした。
ただ、作品の共通として「バッキャロー」って叫ぶ?シーンが必要なのかも知れませんが、
この作品で主人公の女の子(楠世蓮さん)が「バッキャロー!!」って山に向かって?
叫ぶのは、個人的には唐突というか無理矢理感が拭えませんでした。
作中では園芸会に向けて従業員達が一致団結していく姿はとても純粋で、
現代の様にテレビや携帯電話の普及によって日本全国が画一化されていないというか、
その地域ならではの優しい穏やかな空気感が心地の良いものでした。
作品を通して描かれている「演芸会の演目」は結局劇中劇として演じられる事無く、
観客の想像力に委ねられる訳ですが、例えばプロローグだけとか、クライマックスだけとか、
少しだけでも観られたら良かったなと思いました。
例えば観た後の聴衆の反応が観られるとか、後日談が少し描かれるとか…それが残念でした。
普遍的な「人が人を想う」という感情は、時代を超えて共通なんだなと改めて思いました。