ショート7 公演情報 DULL-COLORED POP「ショート7」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    こんなやり方もあるんだと感動!
     BAの順番で7本を見させていただいた。最初は寸劇を寄せ集めてもまともな公演には勝てないのでは?と思っていたが、考え方を改めた。こういう見せ方はありである。ひと味違った芝居の楽しみ方が出来た。小説の短編集と雰囲気が似ている。それぞれの短編が独立していながら、全体として、その短編集の世界があると言えばわかってもらえるだろうか?

     驚いたことは、7本それぞれがダルカラの色を持ちながらも、それぞれ全く違うタイプの芝居をあえて選んでいたこと。こんな芝居も出来るんですよとダルカラの実力を見せつけられた気がする。反省すべきことはやはりABの順序で観るべきではなかったか。演出家はそういう風に作っていたのではないかと後から思った。

    ネタバレBOX

     男の一人芝居『薮の中』、女の一人芝居『アムカと長い鳥』でそれぞれのステージが締められたが、どちらも並の力量ではとても持たせられない芝居だ。うまい役者といい演出家が結びつけば、想像も出来ない舞台が出来るのだと改めて教えられた。特に一人七役に挑戦した堀越涼にはおみそれしましたと言うしかない。

     『エリクシールの味わい』はこの中で飛び抜けて異色の作品だが、はまってしまった。主人公とエリクシールの女性との愛(?)がとても美しく感じられたのだ。飲尿という一見変態的なものを題材にしながら、いやらしさは少しもなく、新しい愛の形を見せられた。小林タクシーの演技も何か演技賞をあげたくなるような出色の出来だった。

     7本を見て感じたことは谷賢一は求道師だということ。演劇というひとつの表現の世界をとことん追求している。そのストイックなまでの真面目な姿勢が芝居のひとつひとつにに現れている。例えば台詞のひとつひとつへのこだわり、例えば役者の演技に対する執拗なこだわり、そしてシチュエーションに対するこだわり、それらがしっかりと感じられるのだ。そして最後に、それぞれの芝居がどれも美しいということも付け加えておきたい。 

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    2009/05/03 21:18

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