満足度★★★
15人降板で話題になった事もあり、舞台観劇ファンとして観てきた。
結果的にはツッコミどころは多々ありつつも、小劇場作品としては十分に観れた。
事前にちょっとだけ複雑なキャラの関係性、世界観の事前情報は公開されたものを含めて、
目を通しておかないとついていけなさそうな雰囲気ではあったが、
それをやっておく事で作品はスンナリと入れた。
そもそもこの手の時空ループもの?というジャンルとしてくくるのであれば、
脚本は至ってシンプルであり、素直な部類に入るとさえ思えた。
モリエールの舞台上にドンと広くスクリーンとしても使える壁を用意して、
そこにはなかなかに見応えのある映像が多用されており、
音楽面、照明(光が印象的だった)などの点においても十分及第点。
非常に残念だったのは、というか致命的とも言えたのが音響、SE。
殺陣の手数に全く合っておらず、恐らくそもそも手数の分の2~3割しか音が無く、
刀を使わない素手での実戦では、空振る音さえ無く滑稽にも見えた。
また刀で斬っているのに殴った様な音、刺しているのに斬った音が流れるなど、
そこのズレは圧倒的な質の悪さが目立った。
若干のハプニングもあり、机に当たる、椅子を倒すなど、殺陣中にもドタバタがったのも気になった。
ただし総じて役者陣は自身の役割を全うして見えた。
受付、物販の不慣れな点などは目を瞑るとしても、
作品としての崩壊は無かった様に思う。
だからこそ、では何故15人もの役者陣が降板を選択したのか、
今後多方面から漏れ聞こえてくるかも知れないが、その大元の作品の上演を
先ずは現場で観られ、その空気を感じられたのは今後の糧になるかも知れない。