満足度★★★★
たまにはエコー劇場で気の利いた喜劇を、と足を運んだ。かのオスカー・ワイルドが書いた18世紀の戯曲だったとは観劇後に知った。階級意識丸出しの婦人の台詞や牧師の登場など古めかしさが漂うが、作り込まない美術や人物の按配に現代感覚がある。演出・大澤氏は「翻案」とあった。
人の取り違えから大騒動に発展する喜劇では双子(又は兄弟)、あるいは瓜二つの人間という設定が常套だが、この話は架空の「弟」アーネストという存在が(居ないながら)中心となる。前半は伏線のための平常なやり取り、それが後半一挙に立ち、ドタバタとスピーディに喜劇が展開する。最も深刻なはずのエピソードの伏線が、ついでの如くサラリと回収され、最後を締めて大団円。