満足度★★★★
初演は観ていないと思っていたが、お笑い芸人、逮捕・・?よく調べたらアゴラで観ていた。深刻な話題と、劇のスタイルとの乖離を若干感じた事をぼんやりと。
だが今作は初演とは舞台風景が異なり(サイズも倍以上)、チャリT路線での磨かれ方ではあるが光沢のある舞台に。美術のダークグレイがテーマにも即して硬質さと柔かさを許容し、キラリ光るものを感じた。
とは言ってもチャリTの本領は「問題の噛み砕き方」「説明の巧さ」にあって(以前「40minutes」で観た芝居(IS日本人人質事件の顛末)が私的にはベスト)、ナレーション(解説)とそのユーモラスな文体がそれに貢献し、説明のテンポに乗って芝居が進行するスタイルである。
テキストとしては情報を出す出し方・順序にやや難有り、「今注意を向けるべきはそっちじゃないでしょ」という躓きや、もっとディテイルを埋めて欲しい箇所も散見されたが、問題の焦点を一箇所に集約する方が得意なのだろうチャリTが、多面的で割り切れない「現実」の痕跡を舞台に残すことに(結果的に)成功していたのではないか。
俳優の「演技」は記号的で、感情移入を拒まれてしまうが・・