満足度★★★★
約一年振り、とは言っても2019年中にはお目に掛かれなかった、黒テントの瓢けたお芝居。戦前戦中を生きたある歌人の生涯を独特の構成と演出でやっている。黒テントだけにやっぱり歌がいい。座長でござい服部吉次がぺーぺーの如く随所で細かな芝居(先日若葉町で見た龍某氏とえらい違い)、紅二点は本木&平田、心配する勿れ婆役内沢(久々)始め混成ならぬ混沌部隊。滝本女史、及び当日スタッフに居た女優3名の不参加は単なる配役上の問題?
不思議な味のある劇になっていたが、役名があるような配役なら人物の粒立ち(書き分け)がもう少し欲しい気も。もっともこの種の劇にしてはよく書かれた方だとも(千秋楽コールの役者紹介では一人一役であった)。。
千秋楽の幕を閉じた劇場を出て所用を済ませ、劇場前をたまたま通ったらバンに荷物を積んでいた。「これだけ?」よく思い出せば舞台上に出ていたものと言えば、蒲団、時々キーボード・・だけだった。照明一つで多彩に場面を作り、「学校」場面での蛍光灯色の明かりは秀逸で、飾り皆無のホリゾント?にも映えていた。
終演後の舞台挨拶にて、黒テントは今年50周年だと知る。模索しながら生き続ける劇団に秘かなエールを・・。