満足度★★★★
鑑賞日2019/12/24 (火) 14:30
価格3,000円
実在の事件を題材とした3編オムニバス。第一弾は女性による犯罪に限定しつつ、スタイルに加えサブテーマも「逃亡生活」「親子」「夫婦」と異なりバランスも良い。
それにしても各編とも逃亡者・加害者の心情を克明に描いているので納得するどころか共感してしまいそうでコワい。
【The Stone Age ブライアント「明日も逃げる」】
犯罪そのものではなく犯行後の隠遁・逃亡生活を描く。普通に振舞っていながらも内心は……などと想像させ、ある意味その豪胆さに驚くと言うか呆れると言うか。
【芝居屋風雷紡「Silent Night」】
小6で同級生を殺した少女が施設生活を終え帰ってきた犯行6年後の聖夜、被害者の父が訪れ……から始めて少女の犯行動機・心情のみならず親の気持ちをも描く。動機・心情は加害者・被害者とも「いかにも小学生」だが考えようによっては大人でも似たようなものではないか?などと思う。また、被害者父の心境は、事件に至るまでも含めて切ない。
ところで、メインの流れに集中するあまり、おそらく舞台端で同時進行していたであろうケーキの仕上げに全く目を向けなかったのは痛恨。(笑)
【singing dog「自由の果て、の不自由」】
エリート会社員を殺害した妻の心情。内容もさることながら終盤、「女の姿が見える」場面の照明(による影)の効果が内容を表現するとともに美的にも優れていたと思う。
【おまけ】
「-1st-」とあるように、今後第二弾、第三弾と続くことが予期され、するとあの団体やその団体が起用されることもあるのか?と早くも期待。