満足度★★★
なんか、帰りの電車で色々場面がオーバーラップする。
写真に写るものは、真実なのかな?形を崩してしまうものは、家族ではないのかな?
家族って、そもそも、なに?
一筋縄ではいかない、数本の縄が絡まっていた舞台を観た。
85分。茶の間で、家族たちの話。ひとり、ひとりが、「本当の姿・想い」を膜のようなもので覆って暮らしているような印象を受けた。観ながら、「この姿はこの人の本当ではない」と感じさせる瞬間があったから。でも、家族の中や、社会の中ではそうして生きているのが当たり前なのかもしれないなーと。後半には、「本当」が漏れ出してきて、観ていると、苦しい気持ちになる。山崎丸光さん以外の俳優さんは初見の方ばかり。春香役の今井勝法さんや、父役の家田三成さん、凄かった。年代的に劇中の問題は、けして物語の中だけでなく、結構、自分の横にぴたっとくっつく、問題だったので、余計、父親や、母親に自分を投影してしまう。特に、山崎さんの母は、子を持つ、親の介護、世間からの眼、切ないというよりも、私の心も痛くなった。あと物凄く自然に舞台上の山崎さんの母の姿が美しくって、単純に綺麗と思ってしまった。
女装が作りこんでいるというわけではないのだけど、肌の透明感というか、ちょっと、びっくりした。
二回目。更に、個々のバックボーンが浮かびあがり、より、ぐっとくる。今日は、父のたけしが、彼が幼少期から兄が居なくなった後の家族での立場など、より、想像ができ、何故、今現在になったのかが、少し感じられた気がする。母の叫びも、より、響いて、落涙。他者が、とやかくいうなよと、心で呟く。家族だから、家族なのに、家族しかわからないこと。世間が、とやかく言うな。ホンが初見の昨日は少しふわふわ、私の頭にしていたが、今日2回目でより、力強く物語が降りてきた。
観ると良い、芝居。
大事なので、2回言います。
良い芝居です。
再再演というのも、納得です。
満足して、会場出たら今日も綺麗な三日月だった。
どの、演者の方も力があるのですが、今作の山崎丸光さんの母:配役。良いです。果てしなく、素敵です。
このキャスティングに、感謝します。