満足度★★★★★
鑑賞日2019/07/28 (日)
とある弔事・葬儀場のワンシチュエーションの中に… 日常と非日常、常識と非常識、現実と非現実… そういった相反するモノが絶妙なバランスで同居している。弔事だけど湿っぽさは内に秘め、笑いも交えた力を抜いた会話が…返って現実味を帯びる。登場人物各々の中に… 仔細は見せない…でも…うっすら透けてくる背負っているモノが意味ありげに存在感を放ち、何本もの作品が凝縮されている印象を受けました。
ここ暫くの新作は はせさんの趣味が色濃く出た仕掛けが多かったですが、今回は割と控えめ… いや…これまた上手いバランスで作品を彩っていると言うべきかな… すごく自然に…受け入れることができて好みでした。万人に受け入れられる作りになっている気がします。観る人によって、好きなところに勝手に想像の翼を拡げられる感じもありました。
そしてね~… 含蓄ある名ゼリフが随所に頻発して… でも必ずしもそこから何かを展開させることはしない贅沢な作りで、 とても妄想を呼ぶ。各役者の役作りがそこに利いていて、どの登場人物にも惹かれていく感じ。ベテラン老若男女の活躍は勿論、入団の浅い若手(林さん、山﨑さん、松本さん)がとても面白い使い方をされていてギャップが楽しい。役者を眺める意味でも楽しみが多かった。