『チルドレン』に続く栗山民也演出のルーシー・カークウッド戯曲の上演。1989年の天安門事件の決定的場面を撮影した米国人カメラマン(田中圭)と、その場に居た中国人(満島真之介)が、米国大統領選挙中の2008年に再会。家庭や仕事、恋愛模様など、卑近ともいえる市民の生活を丁寧に描き、その背後にある大きな力を感じさせる。国、社会、世間は個人を制限、支配するが、たった一人が世界を変えることもある。その光と影を描く。時を超え、中国と米国などを行き来する38場をシャープに転換。複数役をすばやく演じ分けていくアンサンブルの豪華俳優らも見応えあり。思い返すと、カメラマンの女性に対する行動、言動はひどすぎる(笑)。恋人(倉科カナ)とのラブシーンはいつも官能的で素敵だった。