実演鑑賞
満足度★★★★
久しぶりに観るアングラ劇系、この劇団の紹介には「演劇の娯楽性と実験性の共存を追求」とあり、まさしく謳い文句通りの面白さと志向性が感じられた。まず舞台セットはダンボールの柱を始め新聞紙が天井や壁面を覆い、それらが散らばったゴミ屋敷のイメージであり、概観は妖しげであり退廃的な雰囲気を漂わす。物語は次々に変容し、そして破壊し再生するような変幻自在といった展開である。その壊して創るといった流れが実験性とも思える。公演は、狭い空間に役者の独特な演技スタイル、紙粉舞うような環境下、そこに舞台・客席といった明確な境界があるような無いような曖昧さ。もしかしたら接触するかもという、妙な緊張感や迫力を感じられるところが好みだ。演者9名、観客8名、超至近距離による濃密な公演、十分堪能した。
なお、この公演の独特な世界観は万人向けかどうかは…。
(上演時間1時間30分)2019.12.3追記