満足度★★★★
久々に、というか初観劇(三鷹星のホール)以来、がっしり作り込んだ鳥公園舞台は二度目。加えてSPAC女優・布施明日香も目当て。
開演時刻となって暫く、微かに風の音が鳴り続け、ようやく役者がガタンガタンとテーブル型キャリアを押して客席側面入口から登場。いきなり裸体かと思わせてよくみれば肌着にストッキング材質の衣服がピッタリと皮膚のラインを見せる。男三人女三人いずれも。舞台は鳥公園らしい掴みどころなく機能性ありげな装置。最初のインパクトで架空世界に連れ去られる。哲学論議のような日記のような言葉が交錯しながら、多様な場面が作られ、一人格を複数が演じたり何時しか別の個体に移行していたり・・イメージは炸裂するが何がしかの秩序を留めている鳥公園の難解だが不思議に見入らせる作風は健在という所であった。
SPAC『サーカス物語』のヒロインを演じた布施女史の細やかで躍動的な演技に改めて舞台での存在力を実感。SPAC俳優にいつしか贔屓心が芽生えている自分。