満足度★★★★★
ゾンビがふらふらと動き回るようなお気楽な作品かと思って二階B席にしたが、嬉しい誤算でサービス精神に溢れた傑作であった。誰でも知っているキラーチューンがないことが残念だがダンス好きには超お勧めである。満足度は星4つ半。75分+25分休憩+85分
まず第一に挙げるべきは舞台セットである。最初に現れるのは二階建てで屋根裏部屋のある宿屋である。客席からは二階に2部屋+バスルームと屋根裏に2部屋が見えている。この建物全体が左右に動き、更に上下したり、二つに割れたりする。これが引っ込んだかと思うと次が出て来て、都合5~6種類もあっただろうか。同じものでも動いたり、壁が付いたり、ちょっと目を離していると別のものに変わっているという印象だ。この舞台美術と照明は今回全面的に改訂したものだという。
細かいサービスとしてはホールで(模型の)蝙蝠が飛んでいたり、会場の通路をヴァンパイヤが歩き回ったりするなど雰囲気作りがなかなか良い。また入り口でカーテンコール用のサイリュームを配っていた。*サイリュームが配布されるのはヴァンパイア・ダンスナイトという特定の公演だけです:
11/6(水) 18:00、11/7(木) 18:30、11/11(月) 18:30、11/21(木) 18:30、11/25(月) 18:30
*11/19(火) 18:30 の回も追加された。他にもあるかも。
基本的なところでは衣装は多彩で美しく、PAの調整が良くて歌詞が明瞭に聞こえ、生オーケストラは圧巻の迫力であった。
主役の山口祐一郎さんの歌は、最近山口節が鼻について私の中の評価が下がり気味だったが、後半の「神は死んだ」を聞いて私が間違ってましたと土下座したい気分になった。桜井玲香さんは曲によって声の弱さが長所になるものと短所になるものがあって星4つと星2つくらいの違いがある。声質は美しいので声量を増して観客を唸らせて欲しいものだ。
そして、この舞台の私の一番の押しはヴァンパイア・シンガーズ+ヴァンパイア・ダンサーズ+アンサンブルのダンサーさん達である。合唱が力強く決まり、踊りは(揃いきれていないところもあったが)キレッキレの素晴らしいものであった。「スリラー」を思わせるような墓場のダンスもあって、「スリラー」とはまるで違うものだが、大いに楽しむことができた。
カーテンコールでは簡単な振付けで全員でサイリューム(配られたのはルミカライト)を振った。初めてなので使い方を検索したが、折るときに真っ二つにして液漏れしたらどうしようと心配だった(笑)