さけび 公演情報 LAL STORY「さけび」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2019/10/26 (土) 19:00

    座席XA列7番

    朴璐美さん人気は健在。このような芝居に、女性客の多いこと。満員です。

    テネシー・ウィリアムズの戯曲、「さけび」という作品自体は全く意識になかったのだが、
    とにかく彼の作品は観てみようと思って来場。
     舞台上には、大きなカネゴンの繭みたいなセットがあり、舞台の大半を占めている。このセット、何か後半にでも機能するのかな、と思ったのだが、、、、
     よって、演じるスペースはとても狭い。

     舞台が始まって、少しして、あれこれ観たことあるぞ、と気づく。といっても、舞台上で役者の兄妹が演じる芝居の名前が「二人だけの芝居」と言われているのだから、気づかない方が変か。その時の「二人だけの芝居」は、奈良岡朋子と岡本健一が演じていて、役名は同じだけれど、兄妹ではなく姉弟だった。

     パンフレットを見ると、「二人だけの芝居」は上演後にも、何度も推敲が重ねられて、「さけび」という題名になったらしい。

    ネタバレBOX

    虚構と現実がないまぜになって、終わりのない「二人だけの芝居」は演じられていく。そして観客はいなくなり、兄妹は劇場に閉じ込められ、終わりを求めて芝居は続けられる。6メートルにもなろうかというヒマワリは、太陽を求める兄妹の象徴か(劇場で凍死しようかという気候で、ヒマワリが咲いているわけがない)。シャボン玉の儚さは、兄妹の精神の比喩か(彼らは、あるいは兄は、ヘイヴン州立精神病院にいたらしい)。
     観客は幻想?ならば、彼らが狂っていると書置きを残して去っていった劇団員は、そもそも存在していたのか?
     舞台上の閉塞感が強烈で、山路和弘と朴璐美、フェリースとクレア、彼らは罵り合うか、抱擁するか、どちらかが縋り付くか、他に何もしようがない。
     外界と通じているはずの電話は、世界と何とか繋がりを持てている保証。しかし、その電話も繋がらなくなって、、、神は何の前触れもなく、回線を打ち切ってしまったのか。

     わかばやしめぐみさんが演出助手で、何となく舞台装置におぼんろ感が滲み出ていると見るのは、気のせいか。

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    2019/10/29 14:02

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