女性バージョンを観劇。
今月は初の劇団に見える機会を多く得た。一定水準の俳優を客演に呼べる分母を形成し得た若手集団の一つ、という所。初見でなかった俳優は真島一歌くらい(が観劇中は別の女優と勘違いしていた)。話もさる事ながら俳優に見せ場を作るドラマの趣、つまりは最後は皆良い人、過ちは許され、精一杯生きてるノダ、という。戦後の混乱期はそうしたドラマにはうってつけの背景設定で、女優冥利を体感するに外れなしと言われる役=娼婦たちの話(男優ならば兵士なのだそう)。
話はと言えば、自己犠牲の美学で批判精神の脆弱さを糊塗するお決まりの構図で、土地の権力者の横暴も「俺はお前に本当に惚れていたんだぁっ」の一言で免罪される心地悪さは、無論これを現実に置き換えればの話。芝居のほうはテンポよく俳優も見せ場でそれぞれの魅力を存分にアピール。生い話ではあるが伏線が思わぬ展開で回収な場面もあり、健気な女性たちの残像もあり、無為な時間を過ごすよりは幾らか良いと思えるちょっとした料理。