『GUNMAN JILL 』&『GUNMAN JILL 2』 公演情報 チームまん○(まんまる)「『GUNMAN JILL 』&『GUNMAN JILL 2』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2019/10/17 (木) 19:00

    痛快無比な大西部劇。
    味付けは思いのほか上品なヒーローアクション、

    ネタバレBOX

    チームまん〇さんの10周年記念公演にして、GUNMAN JILLの続編。

    といっても、私はまん〇さんの演劇は初めてな上、続編なのに前編を
    観ていないという、なんとも不届き千万な状態ではあるのだが、役者様との
    ご縁であったり、あれこれとタイミングも合ったので、観劇させて頂いた。

    詳しいわけではないけれど、西部劇は好きである。
    西部劇が好きというよりは、西部開拓時代のあの雰囲気が好きなのである。

    でも、小劇場で西部劇ってどうすんだろ?
    と思いつつ、事前にTwitter等で情報を漁っていると、まん〇さんの公演は
    何と写真撮影OKらしい。
    下手の横好きだけど、写真も趣味の一つではあるので、これはちょっと
    血が騒ぐ。
    前説中も、何やらトークイベント的なものがあるようで、既存の演劇とは
    ずいぶんと趣が異なる。

    期待半分、「?」半分で、いざ劇場へ。

    この日は昼間に近隣で別の公演を観劇していたので、劇場にはずいぶん早く
    到着してしまった(そうでなくてもいつも早く到着するんだけど)。

    これまでの感覚からすると、この時間なら一番乗りではないにしても、2番手
    3番手は固いかなと思っていたら、すでにちょっとした列が出来上がっており、
    私は9番目。
    あれよあれよという間に列はどんどん伸びていく。

    そして開場。
    写真を撮るならむしろ後ろの方が全体を見渡しやすいかと思い、最後尾の列の
    端を選択。

    10年の歴史がある劇団なので、固定のファンは多いのだろう。
    最前列周辺の慣れている感じはすごかった。
    脚本の小山さん自ら前説を担当するわけだが、お客さんを巻き込んで、ぐんぐんと
    場内の空気を温めていく。

    あぁ、こういうのも良いなぁと思った。
    私、小劇場での観劇は確かに好きなんだけど、唯一、ちょっと微妙だなと思うのは
    殆どの場合、自由席であること。

    私は前とか後ろにはこだわらないんだけど、とにかく端の席が好きな人なので、
    私にとっての良席を抑えようと思うと、それなりに早くから待機しなくてはいけない。

    となると開場と同時に突入になるのだが、そうなると今度は開演までの30分間を
    ぼんやりと過ごさないといけない。
    忘れるの嫌だから、席に着いたらさっさとスマホの電源も落としちゃうし。

    まぁ、たかが45分程度の事なんだけど、私、待つのも並ぶのも苦手な人だから、
    ちょっと、うーんと思ってしまう。
    もっとも、指定席であったとしても、結構、早く行っちゃうんだけど。

    だから、前説が楽しい演劇はちょっと嬉しい。
    中には前説で劇中につながるちょっとした演出が組み込まれているものも
    あったりして、そういうのにあたると、早起き万歳!と思ったりもする。

    そういう意味では、まん〇さんの公演はトップクラスに楽しい。
    役者様の生の声というか、素の声というか、そういうのが聞ける時間って殆どないから、
    この時間の使い方はとても嬉しい。

    しかも!

    この日、トルネード吉田さんがいらしてて、腰が抜けるほど、びっくり。
    劇場にいる方は、殆どご存じなかったようだけれど、ゲーム史上に残る名作
    「メタルギアソリッド」に登場するリボルバー・オセロットの中の人ですよ。

    本作でガンアクション指導をされているのは知っていたけど、まさか、本人が
    いらっしゃるとは!

    そして、目の前で披露していただいたガンプレイ!
    ひー!すげー!!
    慌ててスマホを取り出し、写真を撮るが、私、写真が趣味でもスマホで撮るのは
    苦手なので、使い方がよくわからない。
    あたふた撮っている反面、最前列のガチ勢は一眼レフで余裕しゃくしゃく。

    まじかー!
    だったら俺も持ってくればよかった!うわー!!

    というわけで劇中の写真でお見せできるようなものはあまりない。
    がっかり。
    絵になるシーンたくさんあったのに…

    そんな楽しい前説も終わり、いよいよ本編。

    物語としては超王道の西部劇。
    ゴールドラッシュに沸く谷をギャングに占拠され、それを追っ払うために
    立ち上がる…という感じなんだけれど、非常に面白かった。

    前説の時点では、
    「西部劇を下ネタ満載でぶちこんでみたので、みんな大笑いしてすっきり
    帰ってね」
    という感じの本編の展開を予想していたのだが、ところがどっこい、そうでもない。

    いや、そうでもないことはないんだけど、この下ネタの立ち位置というか、
    本編への組み込み方が、ものすごく巧みに感じた。

    下ネタって、個人的には取扱注意の劇薬だと思っている。
    うまいことはまれば、一気に場を取り込める力がある反面、やりすぎると、
    何もかも台無しにしてしまう可能性だってある。

    本作は事前の予告通り、下ネタ満載である。
    ところが、それを上品に収めているというか、話の中に自然に組み込んでいるというか、
    ちょっとうまい表現が見当たらないのだけれど、下ネタ全開であるにも関わらず、
    下を感じさせないのは、脚本の素晴らしさによるものが大きいと感じた。

    いかにもジャンクフード的な外見なのに、食べてみたら、ものすごく上品な
    味だったという感動。
    自分の感覚としては、それが一番近い表現かも。

    本編の起承転結も鮮やか。
    私はてっきり最初の7人が味方になると思っていたので、ずいぶん、早く
    集まったけど、大丈夫かなと思っていたら、その7人、まさかの全員寝返り。
    新たに結成された7人は一般市民という設定は、やられた!と思った。
    タートルヘッドの最終目的も、王道の西部劇を予想していただけに、これまた
    ちょっとやられた感じ。

    観劇後に振り返ってみると、観客としての心理を見事に手玉に取られたなという
    気がする。
    ただの下ネタコメディじゃない。
    普通に、いや、普通以上に激しく面白い。

    また、キャラの設定がとにかく秀逸。
    全員、存在感ありすぎ。もう、みんな大好き。
    そして衣装が良い!!
    歴代の西部劇で登場するコスチュームはほぼ全て網羅されていたのでは。
    スナイパーであるアレハンドが、ロングコートだったのは、個人的には
    もうこれ以上ないくらい最高でした。万歳!

    アクション面でもクイックドローあり、ロングレンジショットあり、二丁拳銃も…
    まぁ、一応はあり(笑)。
    ホリーの身体能力、ほんとにすごかった。驚愕。

    女性陣がみんな強い女性だったのも良かった。
    強い女性は良いですよ。
    劇場に響く、力強い、女性陣の声が耳に心地よかったです。
    私、声フェチなんですけど、どっちかというと男性の低い声が好きなんです。
    でも、本作の女性陣は、みんな声がかっこよかった。
    最高すぎる。
    あー、今更だけどリハのDVD買えば良かったなー。
    昼間のリハーサルをなんとその日の夜にDVDにして販売するという神速。
    こういうところが、チームまん〇さんの魅力の一つでもあるのもしれない。

    終演後、別の作品の時にはご挨拶できなかった日芥さん、小野寺さんと
    ようやく初対面。
    やっとご挨拶がかないました。

    そしてちゃっかりトルネード吉田さんにも挨拶させて頂いちゃった。
    やったぜ!

    笑いの絶えない、とても居心地の良かった萬劇場での素晴らしい一夜。
    思う存分、スッキリさせていただきました。

    チームまん〇の皆様、役者の皆様。
    素晴らしい舞台を本当にありがとうございました!!

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    2019/10/22 13:04

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