満足度★★★★★
鑑賞日2019/09/25 (水) 14:00
座席G列5番
価格6,500円
少年期に殺人を犯したが更生して働いている男のいる町のそばでかつての彼の手口と似た殺人が起こり……というキ上の空論には珍しい(初らしい)サスペンスタッチの物語。
少年による殺人について、かつての犯人と現在の職場の同僚、被害者遺族などの立場から多角的に描き、観る側も二通りの受け取り方をしそう(最終場のアレはその最たるもの?)。
ちなみにσ(^-^)(爆)は比率に差はあるがそれぞれの心情を理解。
少年犯罪についてはもちろん、贖罪や更正、ひいては「罪」というものに関してあれこれ考えさせて、「面白い」というのは的確ではなく、優れたあるいはよくできた作品と思う。
「面白い」と言えば打球や炭酸(の泡)を照明効果によって表現したのが独特で面白い。
また、衣装の(生地の)デザイン(かつての犯人は下方の黒が次第に薄らいでゆく染模様だし、他に紺が薄らいでゆく生地も)が良く、(得意の)深読み(黒が殺人であるように紺色も何かの罪を暗示しているのではないか?)もする。
終盤での中心人物二人の会話に松澤くれは作品と通ずるナニカを感じたのは、TLでそんなことを見たことやガキさんご出演であることによるだけではなかろう。(笑)
岩井七世、春名風花お二方は(少なくともσ(^-^)が存じている範囲内では)かつてなかったような役どころで「あ、新しい顔!」みたいな。(笑)
なお、最後のモノローグを聞きながら「もう罪は償い更正しているのに周囲から白い目で見られて気の毒」「過去のこととはいえ人の命を奪うという償いことができない罪を犯したくせに何を勝手な……」という相反する感情が起きた旨を中島さんに伝えたところ、執筆の意図は後者だったとの返答が。