組曲虐殺 公演情報 こまつ座 / ホリプロ「組曲虐殺」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2019/10/16 (水) 13:00

    座席1階

    「蟹工船」を書いた小林多喜二の物語。ミュージカル仕立てで、小林を取り巻く人たちが小林の素顔を浮き上がらせる。今回が再再演という。
    小林多喜二に井上芳雄、多喜二の姉を高畑淳子、多喜二の恋人を上白石萌音、多喜二の妻を神野三鈴という配役だ。高畑淳子や上白石萌音の歌を初めて聞いたが、澄んだハーモニーで見事だった。井上芳雄は安定感がある。今回特高警察を演じた二人もいい芝居だった。
    何より特筆すべきは、舞台奥上方で劇中音楽、効果音を一人で担当したピアニストの小曾根真だ。休憩をはさんで3時間を超える長丁場の演奏はさすがというしかない。迫力があり、小曾根のピアノが生で聞けるだけでもこの舞台はお得であるといっていい。
    多喜二のイメージはもっと厳しい性格だと思っていたが、身の回りの世話をするプロレタリアの同士である神野と、かわいい恋人の上白石の二人がその役割を分担するように多喜二を包み込んでいくという筋立てが新鮮に思えた。「笑い」を重視した栗山民也の演出の妙であったと言える。

    ついこの間まで朝ドラでおばあちゃん役をやっていた高畑淳子はさすがの貫禄だった。そのおばあちゃん役のイメージが染みついていて多喜二の姉というより母に見えてしまったが、せりふ回しや歌唱に本当に迫力があった。上白石はかなり良かったと思うが、ついていくのがやっとだったのではないか。

    0

    2019/10/16 21:15

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大