満足度★★★★
作品という儀式に参加した僕たち観客は
揃いも揃って仮面をしていた
その仮面には善と悪を線引く機能があったが
作品が始まると坪の中に投げ入れてドロドロに溶かした
ありのままを受け入れて感情のままに揺れた
人間の咆哮を聞いて自らに問うた
仮面を外した自分の表情は美しいか?と
とにかく役者さんが格好良くて綺麗な作品
刑事物語でも素敵だった山口晃洋様!が全編通して最高で
裸体も惨めに這いつくばる様も何もかも格好良くて惚れ惚れ
あとは偉い人の役を演らせた時の山本恵太郎の似合いっぷりだったり
折原啓太さんのフェロモンとか黒い加々見千懐さんも素敵
「悪魔に一番近い生物は人間だと思う」と寄生獣のミギーが言ったような
幽遊白書で仙水が見た人間の悪と黒の章のような
そういった光景が淡々と舞台上にあることがこの作品が命を持つ意味で
それを見てこちらも淡々と何かを思わざるを得ない
ただ流れていく人の生と死を優しく消化する