満足度★★★★
人気作家の脳内。
ひとつの脳内に3つもある書きかけの作品と、それぞれに女性担当編集者が付いているのがミソだったかと。
冒頭ではこんなに遠慮なく女性3人に脳内をあれやこれや観察されるのは裸を見られる以上の辱しめではないかと思いつつも、仕事にストイックな作家さんで良かった(笑)
とは言っても人の脳内がそうはっきり理路整然としているわけもなく、その混沌さで最初のうちはSFコメディーな感じで笑わせていたのに、想定外のキャラ登場、段々と予想外の流れへと変わっていくので、結果とても一括りにはできないと思えたジャンルレスな作品。
人の生み出す芸術がAIには決してとって代われない、人間だけが持つ「観念」それとも「意志」と言えば良いのでしょうか、その力強さと複雑さ、そしてちょっと感じる空恐ろしさ・・・何とも不思議な後味を残す作品でした。
2019/10/14 23:57