満足度★★★★
よかった。労働問題と女性の自立・自由を訴える社会派にして、歌と華のある女優たちが織り成すエンターテインメント。一緒に見た友人は、最近見た中で一番の舞台にあげていた。アメリカ版「ああ野麦峠」である。
アメリカの大学プロジェクトがきっかけの若いクリエイターの習作を、日本チームで修正完成させて世界初演したというから、非常に珍しい出自で、歴史的意義のある公演でもある。
女性活動家リーダーの柚希礼音と、悩める知性派のソニン、若さとかわいらしさで際立つ石田にニコルと、有名どころが並ぶ。いまが旬の女優を眺めているだけでもうっとり。初めて見たが、太めの谷口ゆうなの歌がすごくうまかった。
社会派と言っても、現代に訴えるのは、単なる労働者の権利向上運動でなく、「女性」の問題に絞っているからだろう。低賃金、下積み労働、社会的地位の低さ、男性の下働き扱い、発言権の弱さ、家事育児の負担、性と愛等々、男性社会の中で女性が持つ問題は変わらないものが多すぎる。
男性として胸が痛い。