満足度★★★★★
鑑賞日2019/10/04 (金)
シアターグリーンにてヒラオカンパニー『Princess Princess! the MUSICAL』を観劇。
名曲クラシック音楽×童話「シンデレラ」による創作ミュージカル。これは斬新で面白い!灰かぶりのシンデレラ、意地悪な継母と姉妹、舞踏会、王子様、ガラスの靴…など、あの有名なシンデレラの物語が確かに登場するものの、少しずつ何かが違う。そのユーモア溢れる発想と、原作から大きく逸脱せず絶妙な変化を加えた脚本に、思わず上手い!と拍手を送りたくなりました。さらにモーツァルト「キラキラ星変奏曲」などの有名なクラシック曲をアレンジした劇中歌もどこか品があり面白い。ベートーヴェン「運命」のアレンジは特にユニークで笑いました。
「もしも意地悪な継母と姉妹が優しかったら・・」「もしも舞踏会に着ていくドレスがド派手でダサかったら・・」など、もしものストーリーが絶妙に展開され、どんなエンディングが待っているのだろうとワクワクしながら楽しむことが出来ました。こんなシンデレラの創作ストーリーがあったのかと新たな発見もあったような気がします。また、聞き慣れたクラシック音楽もまるで今回のために書き下ろされたオリジナル曲ではないかと感じるほどよく馴染んでいましたし、何と言っても有名童話を独特の発想から新たな物語を作り上げていたことにあっぱれを送りたいと感じました。
照明の当て方の問題なのか、スモークの問題なのか分かりませんが、若干演者さんの表情が見えにくいようにも感じましたが、コメディー要素を含んだミュージカルとして十分満足のいく作品だったように思います。このシリーズは他にもあるのでしょうか。もしあるのならば他の演目も観てみたいなと感じました。一人一人のキャラが濃くインパクトありましたが、中でもシンデレラ役の青木友香さん、継母役の村山胡桃さんは特にハマり役だったように思います。物語の終わり方もよく考えられており、ほっこりとした気持ちになりました。これ、仮装大賞だったらアイデア賞やユーモア賞でも獲りそうなくらいの個性的な作品。逆班も観てみたいし、生演奏バージョンとしても観てみたいなー。フライヤーだけを頼りに初めて拝見した団体さんでしたが、観に行って良かったです。