『GUNMAN JILL 』&『GUNMAN JILL 2』 公演情報 チームまん○(まんまる)「『GUNMAN JILL 』&『GUNMAN JILL 2』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

      劇団初の公開ゲネを拝見。(華5つ☆)
     単に面白いのみならず伝説の兵士を作り上げる薬などはその効用をみるとシャブによく似ている。シャブ程後遺症は無さそうだが、世相批評もチクリ、更には、Mの哲学を通して中々深い哲学談義が展開されるなど深く温かく苦味も効いた作品であると同時に役者陣の演技や演出の良さ、舞台美術もしっかり作り込まれてグー。(ここから先、観劇を更に愉しみたい方は終演後に読むことをお勧めする)

    ネタバレBOX


     役者陣の奮闘も良い。脚本の持つ深みや格好良さをジル役の浜野さんが見事に演じ、ライバルクリトス役を土屋さんがダンディズムが崩れてゆくような感じで好演している他、町の英雄、バーのマスターを演じた金子さんの格闘シーンもグー。軍事科学者の発明品は銃器の発達を見るようで興味深いし、シャブの様な効果を持つ薬を発明しそれを実戦で使用した歴史が語られることなど、また様々な科学的説明などもネグッたり、デフォルメしたり、或いは話の次元を変えたりして簡略化し分かり易くイメージで追い易いように工夫しているものの、根本的にしっかりした認識の下に書かれているし、何より科学者という人種が持つ特異性、発明・発見の喜びの為なら何でもやってしまう好奇心と探究心の持つ長所・短所どちらの可能性も示している点、全体としてみると、発明された技術は、人々の考え方や利害関係によって用いられ良い事も悪い事も生むが、技術それ自体は実は無色であることまで深読みできる。また町の裏ボス、ゴールドマン・ボールと襲撃犯のリーダー、ペネロペが実はツルンデいたり、更に念の入ったことに市長の執事、アナベラの御守役のスカリーも実はボールの手の内の者なのだ。而も本当の悪人ではないクリトスを従わせることが出来るのは、育ての親だからだったりと個々のキャラの今の人生の背景をさらりと披瀝して見せている点にも脚本の上手さが出ている。他にカメラマン役の横瀬さんの身軽な身体表現がグー。無論、様々なシモネタは、役名や、他の単語との組み合わせ方、ストーリー展開の中での銃と如意棒(想像したまえ、作中ではこの用い方はしていないが)の比較表現等々で存分に楽しむことができるのは無論のこと。而も今回は10周年特別企画ということもあるのだろう。舞台美術、小道具に至る迄凝っているから、これらを見るのも楽しいし、ヒロイン役のアナベラを演じる横山さんのウェディングドレス姿も愛くるしい。

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    2019/10/04 13:46

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