満足度★★
鑑賞日2019/09/26 (木)
コフレリオ新宿シアターにてオフィス櫻華『波音に青く微笑みを』を観劇。
北のはずれの港町で起こる時空を越えた海洋ラブファンタジー。予備知識ゼロで初めて拝見した団体さんでしたが、団体名から何となくSFやファンタジー要素の強いテイストの作品かなとイメージしていた通り、ファンタジーの世界観が濃い作品でした。
舞台セットは簡素ではあるものの、階段にもテーブルにも壁?にもなる便利な小道具を上手く使い、それなりの雰囲気が出ていたのは良かったのですが、全体的に安っぽさを感じてしまい、学祭などで演劇サークルの学生達がお芝居やっているような感じに映ってしまいました。ストーリーも何となく先が読めるような展開で、120分という公演時間の割にはいまいち盛り上がりがないというか、内容が薄いというか、展開が少ないというか…。「神、御心、そなた、母なる」などスケールの大きい単語が多く登場する割には、決して壮大なストーリーというような印象は受けず、少し物足りなさを感じてしまいました。全体を通してスピード感がなく、まったりとした進行や台詞が続くためなのか、最前列にも関わらず両隣のお客さんはウトウトしていたのも残念。カタカナのキーワードの乱用も分かりにくさを出してしまっていた感じがします。また、リリーとアムニカという物語の核となる人物は多くのシーンに登場するものの、いかにも台詞を読んでいるようなやり取りに聞こえ、あまり生きた会話には見えなかったのが正直な感想です。120分がだいぶ長く感じました。この内容ならもっと短縮化しても良いのではと思いました。
一方でステージの使い方、照明、小道具の使い方は良かったですし、何人かの役者さん(上田茉衣子さん?、仙石智彬さん?)の演技は印象に残りました。好き嫌いが分かれる内容の公演かもしれません。受付や前説などは丁寧な対応をされていて好感を持ちましたが、全体的な満足度としては★2つが精々かなといったところです。今後に期待します。