さるみ、一人舞台 はじめます。 公演情報 猿美企画「さるみ、一人舞台 はじめます。」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    【第31回池袋演劇祭参加公演】
    一人芝居としていくつかの演劇スタイルを試演(入場無料も含め)するような印象。当日パンフに「私は足掻き続ける。」とあるが、まさしく表情を誇張するために変顔を作り、色々な動作を観せるため肢体を駆使した姿態が足掻いているようだ。一生懸命に演じているが、何となく空回りしているような…。
    (上演時間1時間) 

    ネタバレBOX

    舞台上には姿見、化粧品等の小物だけのほぼ素舞台。プロローグは下手側に寝ているが、蚊(羽音)が気になって眠れない様子。エピローグは逆に上手側で同じような仕草で、演劇パターンではよく見かけるもの。

    ①ワタシダ サイコ 35才
     ●モノローグ~自分が恋愛や結婚などで、世間的に言われる学歴・年収などの条件ではなく、愛を重視した結果、婚期を逸しているような理由を独白する。
     ●ダイアローグ~結婚を意識し、出会いを求めて結婚相談所へ出向き、それらしい相手を紹介してもらう。その相手との見合いでのニ役ひとり会話。
    自身と同年代の女性の露な仕草であろうか。それゆえ無理のない自然体の姿が見える。まさしく自分の等身大範囲であるから心情表現も納得できる。

    ②翼をください(もちろんソロ)
    次の演目への繋ぎ。そして洋服の背中ファスナーを開けたまま外出していたことへの羞恥、背中と翼を掛け合わせ、さらに自分自身を飛躍させる意味での歌であろうか。

    ③「一人舞台」(アウグスト ストリンドベリ作 森鴎外訳)
    登場人物は2人だが、タイトルは「一人舞台」。どこかの外国の婦人が召使と夫との関係を疑っているような展開だが、実は2人とも劇中でのライバル女優のようでもある。1人が一方的に喋り、心情を吐露するような展開。実はこの「一人舞台」の内容が解らず、この短編戯曲を十分表現できていたのか。しっかり自分なりに取り込んだ芝居であろうか。何となく喋っているだけで、内容はもちろん人物像も見えてこない。この演目を選んだ意図に疑問が…。

    既に記したが、モノローグ、ダイアローグ、歌、翻訳劇(一人芝居)といった演劇スタイルを試みている。先に記した「私は足掻き続ける」の前には「愚かな自分を隠し、年齢や環境を言い訳にして、悟った気でいて何もせずに終わるのはもっといやだ」と。とにかくやってみる、という心意気の公演であった。

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    2019/09/22 00:27

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