むむちゃん 公演情報 U-33project「むむちゃん」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★


     リストカットを繰り返し、後3回切ったら

    ネタバレBOX

    ちぎれると医者に宣告されたむむちゃんの日常を淡々と描く。
     演劇は人間の発明した伝達手段のうち最も手の掛かる方法だと自分は思っている。書き手が作品の想を練って書き上げ、それが上演されるまでにどれだけの人々がどれほど多くの時間と作業と経費を用いるか一瞥しただけでそれは明らかであるし、ここは演劇サイトだから今更何を!? という声が上がるのは当然だ。然しながら今作では通常の序破急や明確な対立、所謂ドラマツルギーが無い。欠如しているのだ。無論、心の中の動きを主人公・“むむ”を通して観客は想像することができるしその心理的綾を想像できないということではない。ただその心理的綾が描き出すのはあくまで彼女の心理的傾向と自同律である。即ち永劫回帰に陥ったような心的構造である。ここから抜け出す方法は一つしかない。自同律を振り捨て、現実社会と向き合うことである。それができない若者達の傾向を重々承知の上で作家が今作を上梓しているのなら、それは極めて鋭い社会批評たりえただろうが、其処まで明確に意識した作品なのか否かは現時点では決め難い。というのも自分にはこの作家についてのデータや作品傾向がこうだと判断するほど作品を拝見していないからである。何れにせよ上に挙げたような意図が無いとすると、極めて表層的な作品であると思われる。仮にそうであった場合、このような心理状態で今、日本の多くの若者が暮らしているのだとすれば、これだけ手間暇の掛かる演劇という形式で表層をしか創造できない彼らが、これから構築してゆく社会を想像して暗澹たる気持ちになるのである。

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    2019/09/17 17:51

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  • 皆さま
    後で少しだけ追記するかもしれません。
                ハンダラ 拝

    2019/09/17 17:55

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