満足度★★★
チラシには、「3人の出会いと回復のお話」とあるが、自分は説明文の「少女は人生の荒野を目指す。」から、五木寛之の小説「青年は荒野をめざす」を連想した。もっともそのスケールと世界観は異なる。しかし何となく”自立”という人間の成長過程を描いているようで興味深かった。そして自立は各人のことを示す。また小説ではジャズ音楽であったが、本公演は劇中音楽として生演奏という手法で見聞きさせる。
物語は父親と思春期の娘を通して、立場や経験その思いが空回りし上手く相手に伝えらない。そんな苛立ちもどかしさ、逆に押し付けに感じる意識の違いが、素直に描かれる。
この作品はソラミミの旗揚げ公演、そして第31回池袋演劇祭参加作品である。その意味で人生の荒野ならぬ劇団の挑戦のようでもあるが…。
(上演時間50分)