満足度★★★★★
「悪法も法なり」すでに現場では教科としての道徳が始まり、あちこちで「混乱」を生み出しています。親からも疑問の声が上がっているには上がっているのですが、事情を知らない親、そして情けないことに周りの教員すら、「今までと同じではないか」「道徳は必要ないのか」といった楽観的な見方も蔓延しています。そんな中での観劇。よくもこれだけ丹念に取材したなと思えるほど、現場、現状に近い展開がなされていて、それだけでも感激しました。国家主導に「闘ってきた」老教師、「ヒラメ」のように上の意向ばかりを伺う教師、子育て中の母親教師、権威を誇示し、権威に弱い管理職・・・本当に学校の中は、こんな感じなのですよ。
今、目の前で起きていること、しかも黙っていれば、このまま押し切られてしまうような理不尽な事象を、ここまで正面から迫り描いていただいた劇団の皆様に敬意を表します。現場でもがんばらないといけませんね。
役者のみなさんも、それぞれの個性を発揮され、役のコントラストの表出が見事でした。
ついでに、思ったことをふたつ。
一つ目は、道徳の教材を、「手品師」に変えてみてはどうかと。私たちの現場では、一番「支持」され、そして一番「矛盾だらけ」の教材文です。ほとんどの教科書に採用されている高学年向けのものです。すみません、えらそうに。
ふたつめは、記者会見。うーーん、これはあり得ないかなと。望月記者のような親がいてこその展開ですね。ただ、あり得ないからこそ、劇で実現させる、いや、これが本来の姿なのだということもあるでしょう。観ていて、私なりにスカッとはしましたが。そう私が感じてしまうほど、現場は上意下達の、小心者の集団になっています。
初めて「Pカンパニー」さんの劇を観、これまで百本以上も劇を観てきた私の迂闊さに気づきました。今後、注目していこうと思います。
今日が楽日ですね。たくさんの方が訪れることを心から願って。
昨日は、刺激的な時間を、ありがとうございました。