満足度★★★★
現在と40年前の過去が交錯する、夏休みの切ないファンタジー。現在と過去が同じ舞台上で混在するので、とにかく登場人物が多すぎごちゃごちゃした印象。全体的にふわふわとした感じで、少し集中力が途切れた時間帯があり途中からいったい何が起きていたのかを理解できない時間がありました。
見る側の想像力を大事にするということかもしれませんが、もう少し展開についてきちんと説明する流れでもよかったのではと感じました。個人的にはなんかもやもやとした感じが残ったラストでした。噴火という大惨事で身近な人の死を目の当たりにしたことにより封印された記憶を40年後に回復するということだったのではと思いますが、果たして正しい解釈だったのか、劇中でもう少し直接的な表現があったらすっきりしたのかも。
全体を通しては、切なくもありあったかい、そしてノスタルジーに浸れる貴重な時間でした。
なんといってもびっくりしたのは生粋万鈴さんの老婆姿。単に衣装や化粧で見た目を老婆に見せているのではなく、そこにいたのは本当の老婆でした。
加えて、流石はハグハグといったらよいのか、とにかく客入れから丁寧で、前説や物販の案内までも楽しませようとする姿勢は、大変好感が持てました。
2019/09/05 20:25
登場人物の多い群像劇を描いており、
ご指摘の通り「見る側の想像力を大事」にしておりまして『わかりづらい、説明が欲しい』というご意見も、ごもっともだと感じます。ただ、説明してしまうと【説明が余計だ】と評されることもあり、
ハグハグ共和国でも、多々議論を交わし、今作において、スッキリ明快な展開はせずに、すべての場面が、ゆっくりスライドしすべてに余韻が残るような、そんな今作の帰結と相成りました。頂けた貴重なご意見を大切にして、
今後もハグハグ共和国一同、精進してまいります。
また、個人的なことではございますが、
「そこにいたのは本当の老婆」というお言葉、
非常に役者冥利につきるご感想をいただき、
本当に嬉しく、今後の励みとなりました。
改めまして。
この度も、ご観劇、そして、あらゆることを感じとってくださり、忌憚なきご感想をお寄せくださいまして、誠に有難うございます。