満足度★★★★★
開演前の観客への丁寧な気配り、さすがハグハグさんでした。
劇場に入ってセットを見た瞬間にとても強い違和感を感じた。山小屋や見晴らし台の後ろの黒い背景。今までハグハグさんの作品を観ていて、こんなことは初めてだった。
自然自然というセリフがやたらと出てくる。それなのに緑がない。これは忘れた記憶の拒否なのか?幼い心に恐ろしすぎる、悲しすぎる出来事。自然への恐怖。それを背景の中にしっかりと表現しているのは流石だ。また演技も生粋万鈴さん、月野原りんの演技には相変わらず圧倒される。他の者にしても嫌味のない素直な演技に心地良さを感じた。登場人物が多すぎるという感想を持った方もいたようだが、キイキとした無邪気な子供のいる賑やかさを感じさせるなら、れくらいの方がイイ。小道具等で誰が誰だか、過去と現在がはっきりわかる細やかさ、技的にもしっかり繋がっていた。
あえて言うなら、照明が弱いなと感じた部分がいくつか。これはあえてぼけた印象にしたのだろうか?おぼろな記憶の表れだろうか?
多少いろいろな部分で説明不足を感じる部分がなかったわけではないけれど、子供の頃の自分に会ってみたい気持ちにさせてくれる、そんな懐かしさを感じさせる作品でありました。
2019/09/05 18:03
子供の頃の自分に会えたら、きっと、私は、声をかけてしまうかも。私個人的には、そんなことを感じた、夏休みの友たちでした。