満足度★★★★
サイマル演劇団二度目、赤井氏演出は三本目だったか。予想したテイストではあったが、今回は戯曲(作者)に興味がありそしてその期待には応える内容であった。
客演陣にヒロインを演じた元唐組女優・赤松由美、同男優・気田睦と奇しくも共演となり、両者とも存在感あり。昨年横浜で「発見」した演劇集団・荒馬の旅の田村義明氏、怪優と呼ぶに相応しい葉月結子(恐らくサイマル関係)等役者ぶりを味わう快楽は保証付きという所であった。
作品については、時代性を表わす幾つかの特徴と、戯曲に流れる「気分」を堪能したが、筋は部分的に見落とし、本来目指された戯曲の方向も掴みそこねた。それでもドラマの骨格から言葉から迫力は滲み、劇的瞬間がある。狂気がスタンダードである空気が好みであった。