狂人と尼僧 公演情報 サイマル演劇団+コニエレニ「狂人と尼僧」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2019/08/23 (金) 14:30

    100年前の演劇というとかなり古い感じがするのだけれど、この舞台に見られるフロイト批判の側面からすれば、確かに現代思想批判をなしているわけで、私たちの足元を強く意識させる。

    舞台上の虚構と、舞台裏の現実。舞台では死は死ではなく、舞台の裏に一歩引き下がれば死者は生者になり、いつでもまた舞台に登場できるのだということを即物的に見せてくれる。虚構を常に現実が凌駕してしまう、演劇の可変性・脆弱性を突き付けてくるヴィトカッツィの攻撃的な姿勢は、誰が狂人なのか、聖域とは何なのかといった物語性を大いにぐらつかせ、私たち観客を混沌の奈落に落とし込む。物知り顔の観客は、解釈という行為自体も許されない。

    よいものを見せていただいた。

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    2019/08/27 16:32

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