満足度★★★★
両親が離婚、引きこもり気味の女子高校生アンが導いてくれる世界は現実逃避にも受け取れるものの、中々に甘美で魅力的。
いじめられていた少年、ノアの方舟に選ばれなかった者たち、ユニコーン・・・個人的には『かいじゅうたちのいるところ』をどこか彷彿させ、そのあまりの居心地良さに、このままずっとこの世界を漂っているのも悪くないなぁと思えてくる反面、影を落とした彼女の不安・心の傷が舞台をとんでもない暗黒の世界へと変貌させていくのではないかという焦燥感もしっかり隣り合わせに。
若い役者さんが中心の舞台。
それぞれのキャラクターが繊細に現実と溶け合っていくように演じられ、多感期・・・若者の不安定でファンタジーな心の内が、美術や音楽そして演劇特有の表現、もう総動員にて色鮮やかに表現されていたと思います。