満足度★★
大正末期の文学界の近くにいた青年たちの物語。100年前にもメディアはあって、今に通じると言うが、時代の雰囲気は推し測るすべがない。文学者の名前とか、葡萄酒の広告(これは知名度が高い)とか、当時の新聞とか出てくるが、それが若者たちをどのように動かしたかという、動態力学が立体的に描けていない。個別にみぢかいエピソードが続いていく上に、失礼ながらあまり上手とは言えないミュージカル張りのシーンがあるので、話を追うのに疲れてしまう。装置も、仕方がないと言えば仕方がないが、いま少し工夫があってしかるべきだろう。
最初の設計図の段階でもっとよく構成を考えなければ、このようななんのこっちゃ、と言う芝居になってしまう。現代の時代物の難しさだ。
俳優は初日だからあまり言いたくないが、課題はメリハリだと思う。