満足度★★★★★
10月上旬のチケットは確保してあるが、モーニングショーで見たマリア役のソニア・バルサラさんの歌声にガツンとやられて急遽プレビュー公演へ。
いやあ参った。星10個。絶対のお勧め。
90分+20分休憩+50分と、この劇場での演目としては短い。
あらすじ:「ロミオとジュリエット」を現代のニューヨークの下町に移したもの。キャプレット家とモンタギユー家を二つのチンピラグループ、ジェッツとシャークスに置き換えている。ポーランド系のジェッツの初代リーダーがトニーで現在のリーダーはリフ。プエルトリコ系のシャークスはベルナルドがリーダー。ベルナルドの妹のマリアは洋品店に勤めている。ダンスパーティーで出会ったトニーとマリアは一目ぼれするがベルナルドは激怒。そして二つのグループはとうとう決闘を行うことに。止めようとして巻き込まれたトニーとマリアを悲劇が襲う…。
英語公演で日本語字幕が左右、時々上に出るが10列目より前だと舞台と一緒には視界に入らないと思う。お話は、あの仮死の薬が出てこない分だけ「ロミオとジュリエット」よりも単純だ。字幕なしでも観ていれば分かるだろう。1961年の映画を観ておけば完璧。無名の方々で顔力も弱いがトニーとマリア、そしてベルナルドが分かれば十分だ。
私の好みは前半に集中している。一番のお勧めはダンスパーティのシーン。少人数から大人数、緩急取り混ぜて色々と楽しめる。次はマリアとトニーがアパートの外階段で会うシーン。客席も一緒に上昇して行く(感じがする)と周りは一面の星空。歌は「トゥナイト」である。まるで「ラ・ラ・ランド」の天文台のシーンのようだ。映画なら合成で簡単にできるが、それを劇場でやってしまうのはまるでマジック(あ、もちろんあんなに派手ではありません。期待しすぎないように)。
皆さんオーディションで選ばれた無名の方だが歌も踊りも呆れるほどうまい。特に歌は誤魔化しのない正統的なもので何とも気分がスカッとする。日本の男性歌手に感じるこねくり回したモヤモヤがない。あの人も、かの人ももっとストレートに歌ってくださいよ。
パンフレットはA4版50ページ、2,000円。赤表紙と黒表紙がある。キャスト紹介が後ろに追いやられて、トニーもマリアも特別扱いなしで1ページに6人ずつが詰め込まれている。チケットはまだまだ残っているようだ。360度回転舞台(客席)を未体験の方はこの機会にどうぞ。