天守物語 公演情報 少年社中「天守物語」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    泉鏡花の戯曲をもとに改変を加え厚みを持たせた作品、2011年上演作品の再演。
    舞台美術が豪勢。傾きのあるあの舞台に役者さんたちは平然と立たれるんだろうなと開演前思っていたことがまさに展開された。
    衣装も豪勢。メイクも素敵。ぎゅっと密度のあるダンスは見応えあり。豪華な衣装とあのダンスとで印象は「エンタメ」なのだけど、隙の無いつくりなのは流石。

    ネタバレBOX

    主演・廿浦裕介さんが演じる誠実でまっすぐな若い鷹匠、お見事。貴城けいさんも廿浦裕介さんも、親しい者に見せる顔と、けして親しくないのに惹かれあって落ちた道ならぬ恋に惑う顔との違いが素晴らしかった。
    廿浦さんは故人である父親も演じる1人2役。貴城さん演じる天守の女主人はその父親にも心を奪われていたという役。女主人にはさらにもう一人思い人があり、共感はできない役だったが軽薄になりすぎない演技だった。
    少年社中版のオリジナルとして加わった「人を殺めた怪は鳥になる」設定のもと、泉鏡花版よりさらに重みを増した納谷健さん演じる鷹の存在が面白く、また俳優の表現としても見応えがあった。

    当初上演された2011年といえば東日本大震災のあった年。理不尽に立ち向かうことや生きることへの応援を感じる作品だった。

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    2019/08/18 17:48

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