満足度★★★★
こどもたちが協力し、苦難を超えていく物語に好感を覚える。
立花プロダクションといえば老舗であり、その人材は、東宝ミュージカルなどの子役を輩出している。ヒョンなことで観劇する機会を得たが、覇道をいきつつもウェットな寄り道(笑い)を追求する、実に痛快な2時間だった。
もちろん、20人程度の子役が出演しており、その力はマチマチである。だからこそメイン級には それなりのキャストを配したようだ。訝しがったのは冒頭だ。主人公・ピッピと、秘書の「おサルさん」との話が妙に合わない。台詞が混線してしまかったかのようである。これについてはゲネプロをきちんとするべきだったのではないか、と思う。
そのように記しても、冒頭だけである。つまり、経過とともに両者の演技による「修復力」をみせつけられたのである。
ほか、華やかだったのが王子役のキャストだ。どこか風貌が若かりしころの草刈正雄に通じており、威風堂々としている。それなのに前髪をバンドで結びあげ額を露わにするなど、およそ三枚目というキャラクターを演じた。調べたところ、数々の舞台でステータスを積んだ立花プロダクションの看板役者(子役)とのことだった。歌と踊りにおいて牽引していた。(全体的に そこにかけるエナジーは程良くもあった)
衣装は、西洋風に統一すれば名作感を表現できたのではないかと思う。ピッピは別格としても、周囲の、カジュアルなストリートファッションは彼女の「異能」を対比する上でも邪魔だったはずだ。
気になったのは、保護者とみられる男性が終始、撮影していた点に尽きる。発表会ではなく、公演という形でお客さんに観て頂いているのだから、「晴れの舞台」であっても環境にリスペクトすべきである