満足度★★★
鑑賞日2019/08/12 (月) 14:00
座席c列11番
一糸座の舞台は、「天願版カリガリ博士」「ゴーレム」「カスパー」と主催、客演限らず
妖しめの作品は逃さず、観るようにしている。初見の「天願版カリガリ博士」は糸あやつり人形劇団とは知らずに、フライヤーとタイトル買いして、後で人形劇と知って「しまった!」と思ったことを覚えている。しかし、人形と人間のコラボが意外としっくりと来て、あのカリガリ博士の世界観が、うまく表現されていて感心した。この勘違いがなければ、一糸座をまず観なかったと思う。
今回はその天願大介演出、そしてミスターカリガリ博士こと十貫寺梅軒出演で、面白くないはずはないと観劇。ただし、この舞台、説明書きにあるようにミステリーではない。内容的には「ドクターモローの島」で、なぜ博士は人体改造に勤しむのか、というところが話の柱。そこに、運命というものはあるのか、それは可変可能なものか、というメインテーマがかかってくる。
マッドサイエンティストの親娘の対峙、そして狂言回し的な後藤郁、亜矢乃お二方のドタバタが見どころ。あ、そうそう、十貫寺梅軒の蟹江少年の笑い満載の超絶演技を忘れてはいけない。確かに楽しめる作品だと思う。
しかし、物語そして芝居として観ると、構成の取っ散らかりは半端ではない。挿入される2編の人形劇は、一糸座の実力をよく見せてくれて、素晴らしいと思うが、本編とは全く関係ない。話の方向性や舞台上での役者の所作は、ともするとグダグダになりかかり、話自体に新味もキレも見られない。舞台上でゴロゴロしているに過ぎない場面も見られた。
どうしたの天願大介?けして悪くないんだけれどなあ、、、、