満足度★★★★
「その森の奥」観劇。マダガスカルにある日韓仏の研究者がいる霊長類研究所の日常会話を描きながら、その話の端々に日韓、フランスとマダガスカルの民族差別・抑圧を垣間見させる。「ソウル市民」以来の、平田オリザの得意の作劇術で安心してみられる舞台だった。
「100年前のパリ万博では人間を展示したんだ」の、人間はアフリカの黒人。それを見た日本人が、日本でも同じことをやり、その時展示したのは沖縄人と韓国人。という話はど切り落とさせられた。人類館事件というそうだ。
観光業者が類人猿を見世物に、観光開発を企画することと、こうした民族差別をダブらせながら、動物虐待(差別?)批判の裏に民族差別批判を忍び込ませる。そういう手の込んだ批判の仕方が、嫌味でなく、物事の複雑さを感じさせた。
休憩なし1時間35分