舞台「大悲」 公演情報 BS-TBS/オデッセー「舞台「大悲」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    2001年に大阪で発生した小学生無差別殺傷事件から発想を得た創作である。storyAは犯人と主任弁護人のやりとりを描き、storyBは被害にあった1人の女児の家族に絞って父母兄それぞれの事件への向き合い方を描く。どちらも1時間50分の休憩なし。

    Aを観て翌日Bを観たのだが、作り物感が蓄積してきてBの途中からはすっかり冷めてしまった。こうなると一体私は何を求めてこの演劇を観に来たのだろうか、ただの野次馬だよなあ、などと自虐的になってしまう。まとめて2時間30分程度の1本であれば我に返ることなく最後まで興味深く観ることができたのではないかと思う。

    1本だけ観て「もう1本も観たかったなあ」で済ませるのが賢明だろう。料金の高さも主催者のそういう配慮だったのかと今気づいた。

    ネタバレBOX


    (千秋楽後に追記)
    storyAの弁護士は被告人に被害者への謝罪の言葉を言わせようとする。それは自分の正義の押し売りで自己満足だと思う。過酷な環境に置かれている被告人に対して繰り返し強制するのは洗脳である。そんな状態で謝罪させることに何の意味があるのか。まあこの作品では被告人の悪の方が勝っていたのだが。ついでに脱線すると、被告人に説教をする裁判長がいるが、それはあなたの仕事ではないと言いたい。裁判官という過酷な仕事上、神にでもなったかのような陶酔を味わいたい気持ちも分からないではないが、やはりあなたはただの人間なのだ。

    storyBでは安っぽい出来事がいくつも起こる。母親が男性と美術館で会っていたために、娘を迎えに行くのが遅れたと自分でも後悔し、夫からもなじられる。しかし、実際の事件が起こったのは午前10時過ぎなので、そんな状況になるはずはないのだ。もう全部が嘘っぽい。

    副題の31mmは容疑者と弁護士を隔てるアクリル板の厚さ(2枚+隙間)
    37mは被害者の女児が刺されてからも歩いた距離。

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    2019/07/21 03:40

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