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バー・ミラクル
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feblaboプロデュース「
バー・ミラクル
」の観てきた!クチコミとコメント
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たらい(557)
満足度
★★★
Dry拝見しました。開演前にビールを一杯のんで、ほろ酔い加減で芝居見物ができて楽しかったです。
ネタバレBOX
『悪魔のかいせつ』
最後に両手をあげて踊りだす、みたいな場面はすきだ。余韻を残しながらも、すべてをちゃらにできる便利な終わり方。
タイトルの「かいせつ」がひらがななのはどういう意味なんだろう。ちなみに「かいせつ」を変換してみると「回折」とか出てくるけど、その意味なんだろうか。回折。音や光などの波動が障害物の背後に回り込んで伝わる現象。悪魔的なこころが、男にとりついたっていう意味なのかな? 確かに嫉妬心が昂ぶっての犯行だったような。とはいえ普通に考えれば、「解説」なのかな。男が自分について解説してましたからね。女はなんのために店からいったん出て行ったんだろうか。まさか男に台詞を喋らせるためだけに出て行ったわけではないだろう。警察を連れて来たというわけでもなさそうだ。警察に連絡する気もなさそうだ。なぜ? 女は男に一目ぼれして、犯行を隠蔽しようとしたのかな。それにしても、あんな腹の出たおたくっぽい貧困層に、美貌と富に恵まれた女性が一目ぼれするものだろうか。自分とは真逆のものに惹きつけられた? あるいは、自分の店で殺人事件が起こったことを秘密にしておきたい事情でもあったのだろうか。死体を隠蔽する? でもそれは危険すぎる。犯行はかならず露見するだろう。あるいは、殺人現場に衝撃を受け、落ち着くために現場をいったん離れたのだろうか。でも、そんなに感じの出て行き方ではなかったような。都合よくまた戻ってきたのは、どういう意味なんだろう。すべては男の幻想ということなのかな。謎は深まるばかりだ。
『嘘つきな唇は、たぶんライムとジンの味。』
どうやら三角関係だったらしい。結婚前、妻は夫にどきどきしなかったらしい。それでもつきあってた? どうしてか? どうしてなんだろう。なにか言ってたかな。台詞を聞き逃したかな。それについて女がなにを言っていたか、覚えていない。どきどきしない男とつきあい、結婚することが、女には可能なんだろうか。まあ、世のなかには「お見合い」という結婚もあるわけで、どきどきしない男と結婚することもあるのかもしれないが。で、夫にどきどきしないので、別の男に行ったが、呆気なく振られ、夫に戻ったらしい。ほんとうに?
最後には、ふたりの男のあいだで嘘が匂わされていた。ん? どこに嘘があったんだろう。なにが嘘だったのかな。確かにタイトルは、嘘つきな唇。誰が誰を騙しているのか。
普通に考えれば、夫が浮気したと嘘をついて、離婚しようとする話ということになるのかもしれない。が、そんな単純な理由で、こんなタイトルをつけるものだろうか。「嘘をつく」という意味のタイトル。話の表の意味でも嘘はついている。が、裏の意味でも嘘をついていないと、このような単純なタイトルをつけるとは思えない。単純すぎる! いかにも単純すぎる! しかもライムとかジンとか、雰囲気に流されすぎている! それに、表の意味だと嘘をついていたのは男のほうになってしまう! しかし「嘘つきな唇」というからには、これは女性の唇でなくてはならず、まちがっても男性の唇ではない! (男性の唇だったら、気持ち悪すぎる。)ということは、嘘をついているのは、女性。妻のほうだ。妻はどんな嘘をついていたんだろうか。やはり、別の男との三角関係か、、、。謎は深まるばかりだ。
『力が欲しいか』
悪魔は、人助けをして、天国に行きたいという。しかし、「ぶっころしてやりたい」という人間の夢を叶えることが、人助けになり、その結果天国に行けると、悪魔は本気で考えているのだろうか。いやいや、そんなことで天国に行けるわけがない。「ぶっころしてやりたい」という願いを叶えられた人間は、人を殺すことになり、その罪に悩み、結局は自分から罪を認め、人間として再生することを願うものだ。(罪と罰のラスコーリニコフの場合)。あるいは、自分の罪を認めずとも、罪の幻影に苦しめられ、人生をつまらないものと考え、絶望し、自ら命を絶ってしまうものだ。(罪と罰のズヴィドリガイロフの場合、あるいは悪霊のスタブローギンの場合)
ということは、本人がどう言おうと、悪魔はやはりうまい言葉で、人間を破滅させようと企んでいるということになる。ひとがよさそうな顔をしているが、悪魔はやはり悪魔ということか。
その申し込みを断った女も賢い。悪魔との取引を、すぐさま拒絶。しかし、悪魔的な力を手に入れることができるという誘いを、躊躇なく一蹴することなど可能だろうか。なにかしらの葛藤が、そこにはあったに違いない。残念ながら、その葛藤を女優の演技のなかに見ることはできなかったが。
それから、十字架をいつも身につけている女。ものすごい強敵だが、悪魔はどうやって女から逃げ切ることができたのか。店のなかでもどたばたが少しあったが、きっともっと大変で凄まじいどたばたが店の外で繰り広げられたのに違いない。そのどたばたが、舞台の上で目にすることができなかったのが、非常に残念だ。そういうどたばたこそが、ぼくが芝居見物で見たいと思っている唯一のものだからです。しかし、大抵の場合、そういうどたばたは「どたばたがありましたよー」と匂わされるだけで、どたばたそのものが舞台上で最後まで細かに描写されることは滅多にないのであります。
どんなどたばただったのか、(無理やりですが、)謎は深まるばかりだ。
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2019/07/08 07:36
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