満足度★★★★
ワンツーワークスを観る頻度もやや上がって来たような。今回は「マクベス」である。黒澤明『蜘蛛巣城』を含めると結構な回数この悲劇を味わって来たが、はっきり言って好きである。そして今回の舞台はこの作品の勘所はきっちり押えて、嘆きの言葉さえ聴く者を酔わせ、激情をかき立てる終始緩む事なき悲劇な物語に浸らせてくれた。
経験の浅そうな若い俳優からベテランと思しい俳優まで、それぞれ役割を果たしている。次のシーンや行動へ弾みをつけるための抜かりない動機の仕込みがなされ、思う通りにボルテージを高めてくれるのを快く味わいつつ、悲劇的情緒に心を燃やすという、こういう罪な娯楽もないかも知れない。が、こいつが人間というものと自覚すべし。