満足度★★★★
事前に持っていたイメージは怨念渦巻く『モンテ・クリスト伯』
しかしそのイメージとは見事に異なり、まさかの えッ笑わせようとしている!?のアプローチに一瞬「ストーリー変えました!?」
着眼点の違いでこんなに作風そのものが予想を覆すなんて!と、まず驚きました。
犯罪者とて罪の意識を背負いながらも刑期を終え月日が過ぎれば、本能的に次の活路を見いだそうとするだろうし、図らずも恋に落ちてしまったのであれば尚更。
加害者と関わった登場人物には罪に囚われたままの者もいて、目を逸らしながら巧く世間を渡っている者もいる。
何より彼等はまだ若い。
当時の事件とは直接関わっていない人物も含め、そんな若いパワーが前面に押し寄せてくる作風に面喰ってしまったというところでしょうか。
俊敏な所作・演技捌きを含めて面白い劇団さんだと思える部分は多々ありましたが、それとは別に(自分が期待したところの)テーマの核の部分には共鳴出来なかったのがちょっと残念ではありました。
暗く重いトーンで占められた公演ではないかと敬遠されている方はご安心ください。
ただし観終わって感想を書いている今、ジワ~ッときてます。