満足度★★★★
鑑賞日2019/06/27 (木) 14:00
座席1階
劇団35周年記念公演だから、山の手事情社の独自の演劇スタイルの一つの集大成といっていいかもしれない。
チェーホフのカモメをベースに作り上げられた一幕もの。この劇団ならではの体の動き、ストップモーションのような俳優たち一人一人の動きを見ているだけで、あっという間に1時間半が過ぎてしまう。鍛えられたアスリートを見ているような演劇だ。
人間の生死を超えて行き来するような舞台。俳優たちのポジションがおおかた決まっていて、それぞれ独自の動きをする。スポットが当たるときに大きく動き、そうでないときは静止している。出ている俳優さんたちは舞台のそでに引っ込むことはあまりなく、ほとんど舞台上にいて存在感の強弱を体現している。それぞれのパフォーマンスはまるで大道芸のようだ。
物語を紡いでいくせりふと同時に俳優の体の動きがこの舞台のエンターテインメントの大きな要素。ほかの劇団が取り組むチェーホフとは全く違うテイストを楽しみたい。