想い出の鐘が鳴る街/想い出はコンビーフに乗せて 公演情報 ねこのしま「想い出の鐘が鳴る街/想い出はコンビーフに乗せて」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

     劇団名からも類推できるように、2作ともにゃこ、にゃこキャラが登場するにゃ! にゃ~~~~~、観に来いにゃ~~~~~。(追記2019.6.22)

    ネタバレBOX

     朗読劇であるが、正面に設えられた楕円形の鏡に作中に登場する登場人物らのイラストが浮かび上がったり、やや上手のスクリーンに翻訳やイマージュが投影されたりとかなり工夫が凝らされ、演者達の滑舌も良い。上演作品2本は、脚本のタイプが全く異なるが、その異質性を対比させることで全体のバランスを良くし、相補的に作品を深める働きをしている点もグー。
     Baudelaireの名詩集「Les fleurs du mal/悪の華」Au Lecteur/読者に には我らの偽善者振りが暴かれているが、生存競争渦中にある我々にとって他人の不幸は蜜の味、という言い方には一面の表層的真理があろう。無論、自分の頭でキチンと考える人々の見出す真理ではなく、他人の痛みなどには想像力の及ばない、己だけで賢いと思い込むレベルの小賢しい大多数の人々の留まっている地平でのことだが、一方でこの唾棄すべき状態が現実であることも否めない。そんなこんなで、今回、演じられた2作品、コンビーフの方は、ちょっとおっちょこちょいで、気のいい、大のにゃこ好きの夫が、にゃこ好きが嵩じて交通事故死してしまい、寂しさに身を焼く妻と夫そっくりな息子を毎日身近にしながら悩ましい生活を送っているハズの母子の話(つまり日常性に於ける悲劇)なのに作品から受ける印象は妙に明るいという逆転が為されている実に珍しい作品。
     鐘の方は、宿命を背負った相思相愛の恋人のアンヴィヴァレンツな生を、壮大なファンタジーとして描き、その悲恋の痛切なまでの哀しみが観客の胸を掻き毟る傑作。実に深い作品に仕上がっているが、この2作の不可思議なコントラストも素晴らしい。
     

     

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    2019/06/21 14:10

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  • 皆さま
    追記しておきました。ご笑覧下さい。
              ハンダラ 拝

    2019/06/22 08:03

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