満足度★★★
鑑賞日2019/06/12 (水) 19:00
元グリングの青木豪による書き下ろし。1994年の長崎県大村で真珠の加工会社を舞台とした物語だが、青木の本らしい特徴が出ているなと思うと同時に、久々に青木の作品を観たことに気づいた。対照的な双子の兄弟を軸に、2人が幼い頃に失踪した母と叔父の秘密やら、さまざまな伏線を丁寧に張りつつ、基本的に時間軸に沿って物語は流れ、徐々に伏線が明らかになる流れは悪くない。ただし、90年代に設定した意味は今一つ明らかではないし、被爆の話はやや唐突に思えるあたりは惜しい。役者陣は若手もベテランも好演しているが、序盤で長崎弁が滑らかでないように感じる。