満足度★
「悪評は無評に勝る」とも言えるので書いておく。
分からない演劇もいくつか観たが、これが生涯最高難度である。もちろん日本語であって一つ一つの言葉ははっきり聞こえているのだが私の意識に一瞬も留まることなく通過して行く。CoRichの「説明」にあるようなことは演技からは何一つ受け取ることができない。twitterでは三島由紀夫の「仮面の告白」と関係があるように書いているがストーリーが全く分からないので比べるべくもない。
照明機器以外は何もないガランとしたところに銀色のレジャーシートが持ち込まれ広げて敷かれる。白い簡易な衣装を着た男2人、女4人の若者が現れ、口々に何かをつぶやいている。「娘はどこに行った」「バイトの店長はどこだ」とか。私がセリフを覚えているのはここまで。あとは踊ってみたり走ってみたり、様々な演技が最後まで続く。まあしかし、皆さん発声もしっかりしていて噛むこともなく、素に戻ることもない訓練された演技である。私の知らない作法に則った素晴らしい演劇だということも可能性としてはあるわけだ。ううむ。