満足度★★★★
鑑賞日2019/06/06 (木) 19:00
座席1階
若い感性で当時の映画界を席巻した脚本家白坂依志夫の物語。フィクションと断っているが、この舞台の脚本を書いたニシモトマキが、交流のあった白坂氏のエピソードから着想したという。
仲代達也の野獣死すべしなど名作が多い白坂氏だが、女優や若手作家など華やかな人脈、交際でも知られる。今回の舞台でもその片鱗は出てくるが、物語はサブタイトルにもある、文壇のドンに歯向っていく展開だ。
孤児を描いた「お菓子放浪記」の西村滋作品をやり続けてきたチームクレセントらしいテイストもしっかり入っている。テンポよく進む舞台は、簡素な舞台美術とともに、演者たちの会話に集中してのめり込める。舞台回しを脚本家志望で白坂氏の家に潜り込んだという設定の女中にやらせたのは成功していると思う。