満足度★★★★★
今作の式部は式部でも紫式部ではない。和泉式部である。原作の秋元 松代が想を得たのは当パンによれば柳田 国男の「女性と民間伝承」記載の文章からだという。
庶民の抱え込まざるを得ないどうにもならない門題を秋元 松代はキチンと脚本化している。彼女と一緒に仕事をしていたプロデューサーが、秋元のことを話してくれたことがある。決して大きな方ではなかった。寧ろ小柄な方だったというが、彼女の最もな主張に異を唱える者があると、「無礼者!」と叫ぶや否や態々数歩下がって腰を屈め頭を先頭にして頭突きを喰らわすような激しい闘志と矜りを秘めた女性であったという。作品を拝見してついこの話を思い出してしまった。富岡 多恵子さんや亡くなった「苦界浄土」の作家、石牟礼 道子さんのように真の優しさ(菩薩性)を持った女性なのだろう。今作の中にも菩薩についての説明は出てくるので興味のある方は是非、作品をご覧頂きたい。(1回目追記少しだけ5.31 17時23分 2回目追記6月1日2時46分 3度目の正直6.1 5.25 おまけ)
2019/06/11 15:38
今年、拝見した舞台の中で、現在のベスト作品です。作品自体に素晴らしさが無いと、拝見している時の集中力も書くインセンティブも大幅に減じてしまいますから。今後も、篠本さんはじめ、皆さんのご活躍を期待しています。
ハンダラ 拝