カケコミウッタエ 公演情報 日本のラジオ「カケコミウッタエ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2019/05/28 (火)

    28日ソワレ(105分)を拝見。

    ネタバレBOX

    開場時。舞台に配置された神社の屋根の両端にある千木(ちぎ)?に、天井から伸びている屋根?…金沢駅前の鼓門(つづみもん)、ひいては出雲大社を想起させるセットに、目を奪われる。

    でっ、観終わっての「読後感」。

    自分には、わかったような・わからないような、神経の触れて欲しくない部分を逆なでされるような、いつも通りの「日本のラジオさんの演劇」だった。独特なセリフの間や、LPレコードの針が跳んだようなエンディングも含めて、同じ会場でやった『カーテン』以来の癖になる舞台のそれだった。あと、今回は「闇から現れ・闇に消えていく出ハケ」も印象的だった。

    それと、ユダの独白だった原作の「駈込み訴へ」から関係者一同の集団劇に再構築されたことで世界観を立体化した「功」、(個人的に好みだった)原作の良さである音読のリズム感が除去された「罪」…いずれも感じながらの105分間だった。

    当初は茅場だと思っていたイエス様(私は転びバテレンwなので「様」をつけます)がモデルな人物は、実はナザレ→名瀬。彼が常に浮かべる微笑みも、イスカリオテのユダ→粕井の視点からは、おのが脆い精神・吹きあがりそうな感情を護り・抑え込むための「精神的バリヤー」とも映っていたのかな? 宝保里実さん演じる名瀬の「笑みの精神的バリヤー」に寒気さえ覚えた自分は、そう思えてならなかった。

    演技陣。
    田中渚さん・沈ゆうこさん・安東信助さん、そして今回のフジタタイセイさんは、こんな性格・雰囲気の人物を演じられるんだろうな、という役回りと言うか、観劇前からの期待通りの人物像を好演。
    静かな狂気にも満ちた宝保里実さんの熱演は言うまでもなく、他の登場人物を演じる皆さんのどなたにもスキがない、結構、凄い座組だと感服させられた。

    【配役】
    名瀬(後の、富嶽の会・代表。本作における「イエス様」)…宝保里実(ほうぼ・さとみ)さん
    粕井(本作における「ユダ」)…フジタタイセイさん(美味いカレーを作れる、肋骨蜜柑同好会の主宰)
    三瓶(パッションのバランスが崩れたヒト)…辻響平さん(お初の方)
    安藤(いつしか三瓶を見守るヒトへ)…横手慎太郎さん(何度も舞台を拝見する方)
    田臥兄…岡野康弘さん(「サンジェルマン伯爵」の生まれ変わり?)
    田臥妹…豊田可奈子さん(『みのほど』以来の方)
    丸田(粕井の先輩)
    …沈ゆうこさん(こんなにも早く、アガリスクエンターテイメントのイメージが消え、「日本のラジオ」のヒトになるとは思わなかった)
    麻里弥(丸田の妹。恋愛対象が常に不倫)
    …田中渚さん(『アダムの肋骨』以来、何度も舞台を拝見している方)
    茅場(おひかりさま「健康道場」主宰者)
    …安東信助さん(何度も出演舞台を観ていながら、いまだに初見の『HNG』での強烈なイメージが抜けきれないw)
    手妻(地方政治家)
    …坊薗初菜さん(ぼうぞの・はつな)さん(お初な方。4月にあった近隣の国立市議選に出ていてもおかしくない美声)

    0

    2019/05/30 02:03

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大